【転職後、一番しんどい時期】最初の1~3か月をどう乗り切る?-VOL.69
「転職したら、少しはホッとできると思っていたのに……」
新しい仕事、新しい職場、新しい人間関係。
転職は、仕事そのものだけでなく、これまで当たり前だった環境が一度に変わるタイミングでもあります。
特に入社してから最初の1~3か月は、仕事を覚えることに加え、「誰に聞けばいいのか」「どこまで自分で判断していいのか」「この職場では、どう動くのがいいのか」など、目に見えないことも含めて覚えていかなければなりません。
ホテルの場合は、フロント、宿泊、料飲、調理、管理部門など、さまざまな部署との関わりがあります。
仕事を覚えるだけでなく、その職場ならではの人間関係や仕事の進め方を理解していくことも必要です。
だからこそ、転職して間もない時期に「思っていたより大変」「もう辞めたい」と感じることは、決して珍しいことではありません。
では、そんな時期をどう乗り切ればいいのでしょうか。
「もう辞めたい」と思ったとき、一度立ち止まってみる
ある求職者さんから、転職後に「もう辞めたい」と思った経験について聞いたことがあります。
転職先は、これまで暮らしたことのない土地にあるホテル。
周囲に知り合いもおらず、土地勘もありません。
そして、実際に入社してみると、入社前に聞いていた話と少し違うと感じることもありました。
「こんなはずじゃなかった」
「もう辞めてやる!」
そう思うほど、気持ちが揺れたそうです。
ただ、そこで一度立ち止まり、すぐに結論を出さず、頭を冷やして考えてみました。
そして、「この環境が自分に合わない」と決めつける前に、まずはこの場所で自分にできることをやってみようと考え直したのです。
そこから、地域の人とのつながりをつくり、地域の会合にも参加し、仕事でもさまざまなことを企画して動いていきました。
気がつけば、3か月が過ぎていました。
その後振り返ってみると、「最初のあの時、辞めなくてよかった」と思えるようになったそうです。
もちろん、すべてのケースで「時間が経てば慣れる」ということではありません。
ただ、転職直後は、まだ自分自身がその職場や土地、人間関係を十分に知らない時期でもあります。
だからこそ、「合わない」と結論を出す前に、一度頭を冷やして考えてみる。
今感じているしんどさは、会社そのものへの違和感なのか。
それとも、まだ新しい環境を知らないことからくる戸惑いなのか。
そこを整理するだけでも、見え方が変わることがあります。
「聞きたいけれど、忙しそうで聞けない」
もう一つ、こんなケースもありました。
ある若い求職者さんが転職して約2か月後、「新しいところを紹介していただけませんか」と相談してきたことがあります。
理由を聞くと、「新しい環境になじめない」とのことでした。
詳しく話を聞いていくと、少し違う事情が見えてきました。
配属された部署がとても忙しく、周囲の人たちが慌ただしく仕事をしている。
その姿を見て、「こんなに忙しいのに、自分のために時間を取ってもらうのは申し訳ない」と思い、分からないことがあっても質問できずにいたのです。
分からないことが解消されないまま仕事をする。
すると、ますます不安になる。
そして、「自分はこの職場に向いていないのではないか」と感じるようになる。
そんな状況でした。
このケースでは、まだ試用期間中だったこともあり、企業の人事担当者に相談し、本人と話す機会を設けてもらいました。すると、本人が抱えていたことが共有され、状況は少しずつ動き始めました。
「分からないことがあれば聞いてください」
そう言われていたとしても、忙しそうな周囲を見れば、「今は聞かないほうがいいのかな」と遠慮してしまう人もいます。
これは、本人の問題だけではありません。
新しく入った人にとっては、「誰に相談すればいいのか」「こんなことを聞いてもいいのか」が分からないこと自体が、大きな壁になることがあります。
だからこそ、入社後のフォローでは、本人からの相談を待つだけでなく、会社側から「最近どうですか?」と声をかけることも大切なのではないでしょうか。
「踏ん張る」と「我慢し続ける」は違う
転職直後に大変なことがあったとき、「まずは3か月頑張ってみよう」と考えるのも一つの方法です。
ただし、「3か月は何があっても我慢する」という意味ではありません。
大切なのは、今のしんどさが何から来ているのかを一度整理してみること。
仕事を覚えるまでの戸惑いなのか。
人間関係に慣れていないことなのか。
職場のルールや仕事の進め方が分からないことなのか。
それとも、入社前の説明と実際の仕事内容が大きく違うのか。
理由によって、取るべき行動は変わります。
もし、自分だけでは整理できないのであれば、上司や人事、先輩など、相談できる人に話してみる。
そして、相談するだけでなく、自分から新しい環境との接点をつくってみる。
最初の1~3か月は、ただ耐えるための期間ではありません。
新しい職場を知り、自分のことを知ってもらい、少しずつその環境との関係をつくっていく期間でもあるのです。
転職は、入社した日がゴールではない
転職活動では、内定をもらい、入社することが一つのゴールになります。
でも、本当の意味で新しい仕事が始まるのは、そこからです。
入社したばかりの頃は、誰でも「その職場では新人」です。
これまで積み重ねてきた経験があっても、その職場での仕事の進め方や人間関係までは、入社したその日から分かるわけではありません。
だからこそ、最初の1~3か月で「自分には無理だった」と結論を急がないこと。
一度立ち止まって考える。
分からないことは聞いてみる。
一人で抱え込まず、誰かに相談する。
そして、自分からも少し動いてみる。
その一つひとつが、新しい環境との距離を少しずつ縮めてくれるかもしれません。
転職後に「しんどい」と感じたときこそ、すぐに答えを出すのではなく、まずは「今、自分は何に困っているのだろう?」と考えてみる。
転職は、入社した日がゴールではありません。
新しい環境の中で、自分の居場所をつくっていくところから、本当のスタートが始まるのかもしれません。
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