📢新着📢【ホテル転職】転職すれば、今より幸せになれる?「100%満足できる会社はない」という現実-VOL.66

はじめに

ホテル業界で転職相談をしていると、ときどきこんな言葉を耳にすることがあります。
「今の会社を辞めて、もっと良い会社に行きたい」
「次の会社では、今より評価されたい」
「転職すれば、きっと今より働きやすくなると思う」

転職によって環境が変わり、仕事への満足度が高くなることはもちろんあります。
より自分に合った仕事に出会ったり、これまで評価されなかった経験が新しい会社で評価されたりすることもあるでしょう。
ただ、転職したからといって、すべての悩みがなくなるとは限りません。

なぜなら、100%自分の希望どおりの会社は、なかなか存在しないからです。

「給与は満足できるけれど、仕事内容は少し違う」
「仕事は好きだけれど、勤務時間には不満がある」
「人間関係は良いけれど、会社の方針には納得できない」

働く以上、どこかに「もう少しこうだったら」と思う部分があるのは、決して珍しいことではありません。
では、転職するとき、何を基準に会社を選べばよいのでしょうか。
今回は、転職相談の現場で感じることをもとに、「転職すれば幸せになれるのか」ということについて考えてみます。

「今の会社が嫌だから、転職する」だけになっていませんか?

転職を考えるきっかけは、人それぞれです。
給与、仕事内容、人間関係、上司との関係、労働時間、評価制度、会社の将来性など、さまざまな理由があります。もちろん、その環境から離れた方がよいケースもあります。
しかし、転職先を探す前に、一度考えてみてほしいことがあります。
「自分は、なぜ今の会社を辞めたいのか?」
そして、
「次の会社では、何を変えたいのか?」
ということです。
例えば、「今の会社では評価されない」という不満があったとします。
そこで「もっと評価してくれる会社へ行きたい」と転職を考える。
その気持ちはよく分かります。
ただ、ここで一度立ち止まって、
「なぜ評価されていないと感じるのか」
「自分が求めている評価と、会社が評価していることは違わないか」
「上司とのコミュニケーションに改善できる部分はなかったか」
と考えてみる。

こうして整理してみると、転職によって解決できる問題なのか、それとも今の会社でも別の方法がある問題なのかが見えてくることがあります。

同じ出来事でも、立場が変われば景色は違う

転職相談では、求職者の方からこれまでの職場で起きたことや退職理由を伺います。
一方で、企業側にも企業側の事情や見方があります。
そして、ときどき、
「あれ?前の会社の転職理由も同じことを言っていたよね?」
となることがあります。

これは、どちらか一方が嘘をついているということではありません。
同じ出来事でも、立場が違えば見える景色が変わることがあるからです。
求職者から見れば「会社から評価されなかった」という出来事が、企業側から見ると「期待していた役割を十分に果たしてもらえなかった」ということもあります。
「上司が自分を理解してくれなかった」という出来事も、上司側から見ると、また違った背景があるかもしれません。
だからこそ、転職を考えるときには、一方の視点だけで判断するのではなく、できるだけ客観的に状況を整理することが大切です。

「同じこと」が繰り返されていないか

転職相談をしていると、これまでの転職理由を伺う中で、似たような不満が繰り返されているケースがあります。例えば、
「上司が自分を評価してくれない」
「会社の方針に納得できない」
「周囲が協力してくれない」
「自分ばかり大変な仕事を任される」
といった不満です。
もちろん、転職するたびに同じ問題が起きるとは限りません。
会社が変われば環境も変わりますし、転職によって悩みが解消されることもあります。
ただ、何度転職しても似たような問題が起きているのであれば、一度、自分自身の「傾向」に目を向けてみる必要があるかもしれません。
これは「自分が悪い」という話ではありません。

自分がどんなことにストレスを感じやすいのか。
どんな環境だと力を発揮しやすいのか。
仕事に何を求めているのか。

それを自分自身が把握しておくことです。
自分の傾向や課題を知らないまま環境だけを変えてしまうと、場所が変わっても似たような問題に直面する可能性があります。

「7割満足できれば十分」と考える視点

では、100%満足できる会社がないとしたら、どこまでを「満足」と考えればよいのでしょうか。
一つの考え方として、「7割くらい満たされていれば、それで十分」と考える方法があります。
もちろん、何をもって7割とするかは人によって違います。
給与を重視する人もいれば、仕事内容、休日、人間関係、勤務地、福利厚生、キャリアの可能性などを重視する人もいるでしょう。
大切なのは、すべてを満たしてくれる会社を探すことではなく、
「自分にとって重要な部分が、どのくらい満たされているか」を考えることです。

そして、人はときとして、満たされている部分よりも、満たされていない部分に目が向きます。
例えば、仕事の内容も給与も人間関係もおおむね満足しているのに、
「でも、上司だけは合わない」
「でも、会社の制度には不満がある」
と、残りの3割ばかりが気になってしまう。

すると、いつの間にか、「この会社は自分に合わない」という結論に傾いてしまうことがあります。
でも、そこで一度、
「自分は今の会社で、実は何割くらい満たされているのだろう?」と考えてみる。
そのうえで、満たされている7割を手放してまで、残り3割を変える必要があるのかを考えてみることも、一つの方法ではないでしょうか。

転職以外にも、選択肢があるかもしれない

「今の会社ではもう無理だ」と思ったとき、最初に思い浮かぶのが「転職」かもしれません。
しかし、実際には転職以外にも選択肢があります。
部署を変える。
担当する仕事を変える。
上司や周囲と改めて話し合う。
自分の働き方を見直す。
少し距離を置いてから考える。

もちろん、状況によっては転職が最善の選択になることもあります。
大切なのは、「転職する」ことを最初から唯一の答えにしないことです。
一度冷静に状況を整理して、そのうえで「やはり環境を変えよう」と決める。
その順番が、次の転職先を選ぶうえでも重要なのではないでしょうか。

「雇われる」ということ

「100%満足できる会社はありませんよ」
転職相談の中で、そんな話をすることがあります。
少し厳しく聞こえるかもしれません。
でも、「雇われて働く」ということを考えると、ある意味では当然のことでもあります。
会社には経営者がいて、組織があり、ルールがあります。
自分の希望だけですべてを決められるわけではありません。

給与も、仕事内容も、勤務時間も、会社の方針も、すべてが自分の希望どおりになることは難しいでしょう。
もし「すべて自分の思いどおりに働きたい」と考えるのであれば、自分で事業を始めるという選択肢もあります。ただし、起業したからといって100%満足できるわけではありません。
会社員には会社員の悩みがあり、経営者には経営者の悩みがあります。
自由になる部分が増える一方で、売上や資金繰り、顧客、採用など、自分で背負う責任も増えていきます。
働き方が変われば、悩みの種類も変わる。
「会社員だから不自由、起業すれば自由」
というほど、働くことは単純ではないのかもしれません。

「100点の会社」ではなく「自分に合う会社」を探す

では、転職するときに何を基準にすればよいのでしょうか。
一つの考え方として、
「100点の会社を探す」のではなく、「自分にとって大切なものが満たされる会社を探す」という方法があります。例えば、
「仕事内容を最優先したい」
「給与よりもワークライフバランスを重視したい」
「ホテルの開業経験を積みたい」
「マネジメント経験を積んで、将来は支配人を目指したい」
「人間関係の良い環境で長く働きたい」

人によって、会社選びで譲れないものは違います。
すべてを満たす会社を探すのではなく、

「これは譲れない」
「ここは受け入れられる」

という自分なりの基準を持つ。
そうすると、求人票を見るときの視点も変わってきます。

転職は「幸せになるためのゴール」ではなく「選択肢」

転職は、今の環境を変えるための大切な手段です。
転職によって、新しい仕事、新しい仲間、新しい可能性に出会えることもあります。
一方で、転職先にも必ず「思っていたのと違う」と感じる部分はあるでしょう。
だからこそ、
「転職すれば幸せになれる」
と考えるのではなく、
「転職によって、自分が納得できる働き方に近づけるか」
と考えてみる。

この違いは、意外と大きいのではないでしょうか。
そして、転職を決める前に自分自身を振り返ることは、短期離職を繰り返さないためにも大切です。
「なぜ辞めたいのか」
「次の会社で何を求めるのか」
「これまでと同じことが起きる可能性はないか」
「今の会社で、実はどれくらい満たされているのか」

一度立ち止まって考えることで、次の転職先に求める条件も、より明確になっていきます。

まとめ

転職すれば、今より幸せになれる。
そう願うこと自体は、決して悪いことではありません。
新しい環境に期待することは、転職活動を進めるうえで大切なエネルギーにもなります。
ただ、「転職=すべての問題が解決する」というわけではありません。

どんな会社にも、良いところと、そうではないところがあります。
だからこそ、転職を考えたときには、まず一度立ち止まってみる。

「自分は何に不満を感じているのか」
「それは転職で解決できることなのか」
「自分自身にも見直せるところはないか」
「次の会社では、何を一番大切にしたいのか」

冷静に整理してみる。
そして、もし今の会社に7割程度の満足があるのなら、残り3割だけを理由に、すべてを手放す必要があるのかも考えてみる。
もちろん、その3割が「どうしても譲れないこと」であれば、環境を変えることが必要な場合もあります。
大切なのは、「何割満足しているか」そのものではなく、自分にとって何が大切なのかを知ることです。
「もっと良い会社」を探すのではなく、「自分にとって、より納得できる会社」を探す。

転職とは、会社を変えることだけではなく、自分自身の働き方を見つめ直す機会でもあるのではないでしょうか。
100%満足できる会社を探すのではなく、自分にとって大切なものを知り、その中で納得できる選択をする。
それが、転職後の「こんなはずじゃなかった」を減らし、長く働ける場所との出会いにつながっていくのかもしれません。

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