📢新着📢【ホテル業界】マルチタスクのその先へ。人材の「できる」をどう評価する?-VOL.62
はじめに
最近、「社内副業」という新しい働き方が注目されています。
ある企業では、社員が所属部署に在籍したまま、社内の別部署の仕事に挑戦できる制度をスタートしました。
これまでの仕事とは異なる業務を経験できるだけでなく、担当した業務に対して追加の報酬が支払われるというものです。
「社内にいる人材の、まだ活かしきれていないスキルを活用する」。
この発想は、とても興味深いものではないでしょうか。
では、ホテル業界ではどうでしょう。
ホテルには「マルチタスク」という考え方があります。
フロント業務だけでなくレストラン業務も担当する。
宿泊だけでなく料飲にも対応する。
一人のスタッフが複数の業務を担えることは、ホテルにとって大きな強みです。
一方で、ふと考えてみたいことがあります。
その「できること」は、きちんと評価されているでしょうか。
今回は、「社内副業」という新しい働き方をきっかけに、ホテル業界のマルチタスクと、人材の評価について考えてみます。
「マルチタスクができる」は、ホテル業界では大きな強み
ホテルの仕事は、部署ごとに完全に業務が分かれているとは限りません。
例えば、フロントスタッフがレストランのヘルプに入ったり、宿泊部門のスタッフが他部門の業務をサポートしたりすることもあります。
特に人員が限られるホテルでは、複数の業務に対応できるスタッフの存在は、とても心強いものです。
本人にとっても、さまざまな業務を経験することで、ホテル全体を見る視点が身についたり、自分の得意分野が広がったりするでしょう。
マルチタスクは、ホテルパーソンのスキルとして、十分に価値のあるものです。
では、その価値は、給与や評価にどのように反映されているでしょうか。
「できる人」に仕事が集まっていないでしょうか?
ホテルでは、仕事ができる人、さまざまな業務に対応できる人に、自然と仕事が集まることがあります。
「この人ならお願いできる」
そう思われることは、本人にとって信頼されている証でもあります。
しかし、その状態が続くと、
「できることが増えた」
「任される仕事が増えた」
にもかかわらず、給与や評価は以前とほとんど変わらない、ということもあるのではないでしょうか。
もちろん、経験を積めること自体が本人にとってのメリットになる場合もあります。
ただ、会社への貢献度が高まっているのであれば、その貢献をどのように評価するのかを考えることも大切です。
「できるからお願いする」だけではなく、「できるようになったことを、会社としてどう評価するのか」。
これは、これからのホテル業界でも考えていきたいテーマではないでしょうか。
「別の仕事を担う」なら、「別の評価」があってもいい
冒頭でご紹介した「社内副業」という考え方が、ここでヒントになります。
本来の所属部署とは別の仕事を担当し、その業務に対して追加の報酬を支払う。
ホテル業界で同じ制度をそのまま導入することは、勤務シフトや繁閑期などを考えると、簡単ではないかもしれません。
しかし、考え方をホテル業界向けにアレンジすることはできるのではないでしょうか。
例えば、
・一定期間、別部署の業務を担当する
・特定のスキルを活かして社内プロジェクトに参加する
・通常業務とは異なる役割を担った場合に、その貢献を評価する
・複数の業務スキルを身につけたことを、評価制度に反映する
などです。
重要なのは、「仕事を増やす」ことではありません。
新たな仕事や役割を担ってもらうのであれば、その貢献に対して、会社としてどのような価値を認めるのか。
給与だけではなく、昇給や昇格、社内でのキャリア形成など、評価の方法はいろいろ考えられるでしょう。
評価されることが、次の挑戦につながる
自分が身につけたスキルや、会社への貢献がきちんと評価される。
そう感じることができれば、「もっと新しいことに挑戦してみよう」というモチベーションにもつながるかもしれません。
また、
「この会社では、自分の経験やスキルを見てくれている」
という実感は、会社への信頼やエンゲージメントにもつながる可能性があります。
人材不足が課題となる中、外から新しい人材を採用することだけが、人材確保の方法ではありません。
今いるスタッフが持っているスキルや経験を、もう一度見直してみる。
そこには、まだ活かしきれていない人材の可能性があるかもしれません。
「何でもできる人」ではなく、「できることに価値がある」という考え方
マルチタスクという言葉は、時に「一人でいろいろな仕事ができる人」という意味で使われます。
もちろん、それは素晴らしいスキルです。
でも、その人が複数の仕事を担えることを、単に「便利だから」と捉えてしまうのは少しもったいないのではないでしょうか。
フロントもできる。
料飲もできる。
新人教育もできる。
イベントの企画もできる。
それぞれの経験やスキルには、その人が積み重ねてきた時間があります。
だからこそ、
「何でもできる人」ではなく、「さまざまなことができる人材だからこそ、その価値をどう評価するか」。
これからのホテル業界では、そんな視点も必要になってくるのかもしれません。
まとめ
「社内副業」という新しい働き方をきっかけに、ホテル業界のマルチタスクについて考えてみました。
ホテルにとって、複数の業務に対応できるスタッフは貴重な存在です。
一方で、人材の可能性を広げたいのであれば、「できること」を増やすだけではなく、その貢献をどのように評価するのかまで考えることが大切ではないでしょうか。
「この仕事もできるようになってください」だけではなく、
「新しい仕事を担ってくれたことを、会社としてどう評価するか」
という視点です。
人材を採用する。
育てる。
活躍してもらう。
そして、その貢献を評価する。
そのサイクルがうまく回れば、スタッフにとっても、ホテルにとっても、より良い関係を築けるのではないでしょうか。ホテルの中には、まだ十分に活かされていない「できる」が眠っているかもしれません。
その「できる」を、どう見つけ、どう活かし、どう評価するのか。
これからのホテル業界の人材活用を考えるうえで、私たちも考えていきたいテーマです。
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