【料理だけやればいいは、もう古い? 】― ホテル業界の現場が変わる、“経営を理解する料理人”という新しい価値観−VOL.26

「料理人は料理だけしていればいい」

—そう言われていた時代は、もう終わりを迎えています。

最近、あるホテルの現場でこんな話を聞きました。
料理長なのに、原価計算ができない。
パソコンが使えない。
経営会議で数値を問われると、黙ってしまう。

それでも、腕は確か。味には自信がある。
でも、それだけでは今のホテル経営を支えきれないのが現実です。

数字を理解できる料理人は、経営の“右腕”になれる

食材の高騰、人件費の上昇、光熱費の増加。
ホテル業界も例外ではなく、「美味しい」だけでは利益が残らない 時代に突入しています。

そんな中で求められているのは、
「料理ができる人」から「経営を理解した料理人」への進化。

原価率やロス率を管理し、仕入れの最適化を考えることは、
コスト削減だけでなく、料理のクオリティを守るためにも欠かせません。

数値に強い料理長は、経営陣と同じテーブルで話ができる人。
信頼を得て、発言権や裁量の幅も広がります。

数字は、“料理の価値”を高めるための武器

数字というと冷たく感じるかもしれません。
でも、原価を把握することは、
「素材の組み合わせ」や「仕込みの工夫」を見直すチャンスでもあります。

たとえば、ロスを減らす工夫が、結果的に仕込み時間を短縮し、
より丁寧な盛り付けに時間を割けるようになる。
そんな“良い循環”を作れるのも、数字を理解している料理人だからこそ。

料理人が数字と向き合うことは、
経営のための我慢ではなく、“料理の価値を守るための手段” なんです。

“見て盗め”から、“見て学び、数字で語る”へ

昔ながらの料理の世界には、まだ「見て盗め」という文化が根強く残っています。
でも、それだけでは後輩が育ちにくく、現場の力も停滞してしまう。

これからは、“見て学び、数字で語る”料理人が求められる時代。
料理の技術とマネジメントの両輪があってこそ、
チームを導くリーダーになれるのだと思います。

経営を理解する料理人が、ホテルの未来を変える

料理人が数字を意識するようになると、
ホテル全体の利益構造が見えてきます。
「どのメニューが利益を生んでいるのか」
「お客様に喜ばれながら、持続可能な仕組みを作るにはどうすればいいか」
—そんな視点が持てるようになる。

結果として、
スタッフの働き方や仕入れルート、メニュー構成にも良い影響が広がります。
それが、ホテル全体のブランド価値を高めることにもつながるのです。

まとめ:経営感覚は、料理人の新しい“武器”になる

料理人として培った感性や技術は、確かに宝物。
けれど、それを経営に活かす力を持つことが、これからの時代の強みです。

数字と向き合い、経営を理解する。
それは「経営のために料理を犠牲にする」ことではなく、
「料理の価値を未来へつなぐ」ための第一歩。

料理の技術 × 経営感覚。
その掛け合わせこそが、
これからのホテルで“信頼される料理人”の新しいスタンダードです。

 

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※参考文献: 「数字と向き合い、飲食店における“管理”の大切さを学んだゼットン」(坂井商会 note)

https://note.com/sakaishokai/n/n5257a30e698d(参照:2025.10.31)