VOL.21 【逃げの転職から卒業するために 】―キャリアの棚卸で“自分軸”を見つけよう―

はじめに:転職を繰り返す人が増えている現実

「もう今の職場にはいられない」「とにかく辞めたい」

そんな気持ちから転職活動を始める方は、決して珍しくありません。

ただ、その想いのまま勢いで転職すると、数か月後にまた「やっぱり違ったかも」と感じ

短期間で離職を繰り返してしまうケースがあります。

転職回数が増えると履歴書の印象はどうしても重たくなり、採用企業も「またすぐ辞めてしまうのでは」と

慎重になってしまいます。

「逃げの転職」とは?

実際に1社で長く勤めた後に初めて転職した方が、その後は短期での転職を重ねてしまう例は

少なくありません。

そして、その退職理由を聞くと「人間関係が合わなかった」「やりがいを感じられなかった」と

似たような言葉が並びがちです。

この「退職理由のパターン化」が起きてしまうと、企業側は「定着率が悪いのでは?」と不安を感じ

せっかくのスキルや経験があっても評価されにくくなるのです。

退職理由が似てしまうのはなぜ?

転職理由としてよく挙がるのは

  • 人間関係が合わない
  • 休みが取れない
  • 給与に不満
  • やりがいを感じられない

ではなぜ、同じ理由で辞めてしまうのでしょうか?

1つは「隣の芝生が青く見える心理」です。

今の環境に不満があると、他の会社がすべて魅力的に見えてしまいます。

もう1つは、「やりがい」の誤解です。

仕事のやりがいは、どの職場にも必ず存在します。

「やりがいがない」と感じるのは、仕事内容そのものの問題ではなく、自分が大事にしている価値観と

ズレているだけ、というケースも多いのです。

  • 人間関係が合わないのは「自分が大事にしたい価値観と違う組織」だから。
  • 休みが取れないのは「自分が望むライフスタイルとのミスマッチ」。
  • 給与に不満を感じるのは「自分が積み上げてきたスキルと評価のずれ」。

そして何より大きいのは「キャリアの棚卸」ができていないこと。

これまでの経験を振り返らずに、表面的な不満から転職してしまうと、自分に合う環境を選ぶ軸が

ないまま動くことになり、結果的に同じ失敗を繰り返してしまいます。

つまり、職場を変えただけでは根本的な課題は解決できず、また似たような理由で転職を考えること

になってしまうのです。

「逃げ」から「目的」へシフトするために

では、どうすれば「逃げの転職」から抜け出せるのでしょうか?

答えはシンプルです。「自分がどうなりたいのか」を先に描くこと。

そのために役立つのが「キャリアの棚卸し」。これまでの経験を振り返り、

・これまでで一番やりがいを感じた瞬間は?
・逆に、苦しくてつらかった経験は?
・その時の環境(上司・仲間・仕事内容・働き方)はどんなものだった?

を整理することから始めましょう。

こうして振り返っていくと、

「自分が力を発揮できる条件」や「働き続けられるために欠かせない要素」が

少しずつ見えてきます。

「転職してどうなりたいのか」「その環境で何を実現したいのか」を明確にできれば

面接での説得力も増し、入社後の定着率もぐっと上がります。

転職は“逃げ場”ではなく、“次のステージを選ぶ挑戦”です。

目の前の不満からではなく、自分のキャリアをどう築いていきたいかを出発点に考えることで

転職はもっと建設的でポジティブなものになります。

まとめ:本当の課題は「求人」ではなく「自分」

多くの方は「良い求人が見つからない」と嘆きます。

けれど本当に大切なのは、求人を探すこと以上に「自分を理解すること」です。

転職そのものは悪いことではありません。

でも「逃げたいから」「ここではやっていけないから」とだけ考えて行動すると

また同じ壁にぶつかる可能性があります。

大切なのは

「転職すること」を目的にするのではなく、「自分はどんな未来をつくりたいのか」という

自分の気持ちに向き合い、整理すること。

「逃げるための転職」を繰り返すのではなく、「目的を持った転職」にシフトすることで

キャリアの流れを大きく変えることができます。

次の転職は、“辞めたいから”ではなく、“なりたい自分に近づくため”の一歩にしてみませんか。

 

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